ベニクラゲ 6 回目の若返りに成功

不老不死 のクラゲとして知られている ベニクラゲ。生殖できるまでに成長したベニクラゲは飢餓状態や身体に致命的な損傷が発生すると、特殊な細胞分裂、分化転換 により幼生に戻り、そして再び成長することで不滅の肉体を擁しています。ベニクラゲの若返り現象は、イタリアの研究者により地中海産のベニクラゲで偶然発見され、世界各地で確認作業が行われたが、地中海産のものでしかこの現象は見られなかった。しかし、鹿児島湾で採集された個体から 久保田准教授 らが世界第2例目として成功して以来、その回数を更新し続けている。久保田准教授は、昨年5月15日に沖縄で4個体の若いベニクラゲを捕獲。全個体が捕獲直後に退化し、5月18日前後に若い世代の ポリプ に1回目の若返りをした。その後、最も素早く若返った雌に焦点を当てて飼育実験している。その結果、7月上旬に2回目、8月上旬に3回目、9月下旬に4回目に成功した。冬場の寒さを乗り越えるため、ヒーターで水温を20~25度まで温め、水流を起こしかき回すようにして、12月上旬に5回目に成功。今年3月23日には6回目のポリプへの若返りをした。その後も元気に生き続けており、さらなる若返りが期待できるという。
人の体にある細胞の数は、十の十八乗と言われます。これらの細胞は常に分裂を繰り返しながら、古いものは死んで、新しく生まれたものと交替しています(細胞代謝)。そのペースは、1分間に実に250万個。白血球のような寿命の短い細胞は4,5日ですべて入れ替わり、心臓の細胞なら4ヶ月、肝臓や胃、肺等の内臓器官になると約半年。筋肉の場合は、9ヶ月で新しくなります。健康な細胞は、何度か分裂すると寿命を終え、自然に死にます。細胞には一つ一つ、分裂を促す遺伝子と、分裂を抑制する遺伝子があって、そのバランスで正常な代謝が行われています。何らかの原因で細胞が傷つき、これらの遺伝子に異常が生じると、いつまでも分裂し続ける癌細胞が生まれます。癌細胞は、栄養を与えられている間は分裂しながら、ひたすら増殖するだけです。増える一方ですから、やがて細胞の塊がどんどん大きくなって、周りの臓器に障害を及ぼすことになるのです。癌細胞と言うのは、死ぬ事を忘れたアンバランス細胞なのです。 【医学博士 周東 寛】
