日本人が桜に惹かれる 隠れた理由

桜は日本人の精神を象徴するものして良く取り上げられます。ある調査では、日本人のおよそ8割が桜をとても好きと答えています。咲いている花の美しさはもちろん、葉が出そろう前に花が咲く 生命力 の強さに惹かれること、咲いてから散るまでの移ろい行く様に人生や一期一会、幸福、恋愛などを投影すること、咲き終えた後には 潔く 散る姿を美しいと考えること、そしてこれらを自らに当てはめることは日本人にとって珍しいことではありません。春が日本では年度の変わり目であり、出会いと別れの時期であることもこれらの要因を引き立てています。近年では、散ることをただ惜しむだけではなく、ひらひらと散る桜を精一杯さいた勲章のようにいうことも多く、現代の歌や文学にもこれらの象徴として多く取り上げられています。警察官や自衛官の階級章は、他国なら星形を使うべき所を桜花で表すことで国民の生命と財産を守るために命を投げ打つことを意味しています。桜がここまで日本人の心を捉える本当の理由とは何でしょう?潔く散る姿に見る 無常観 でしょうか?日本人の美意識の一つに、侘(わび)と 寂(さび)があります。侘は、形容詞「わびしい」から容易に理解されるように「立派な状態に対する劣った状態」を意味します。そして、寂は、漢字の「寂」が当てられていることもあり「人がいなくなって静かな状態」を意味します。理解が早い人は、ここでピンときていることでしょう。桜の木は花が散ってしまうと誰も見向きしません。つまり、侘と寂を体現しています。侘と寂は日本人の心の中にある 深い悲しみ を表現しています。根から明るい他の民族とは陽気の度合いが少し違います。陽気に振舞っていても、根底にある悲しみを忘れることができていません。祭りばやしで聞こえてくる笛の音色に日本人の心が現れています。一見陽気に聞こえますが何処と無く悲しい音色です。日本人の悲しみは、物事の 本質 より目に見える 形 にとらわれて大切なものを失ったことから来ています。花のない桜の木も同じ桜です。花が散った後も同様に美しいのです。
