虫歯治療

虫歯の治療でキーンという音と共に歯を削られる恐怖から開放される日が近いかも知れません。フランスの科学者チームが ホルモン を使った虫歯の治療に成功したことが、ACS Nano ジャーナルで報告されました。今回の実験に使われたホルモンは、メラニン細胞刺激ホルモン と呼ばれる下垂体ホルモンで以前から骨の再生に関与することが知られていました。この特殊なホルモンを柔らかいジェルで包んでマウスの虫歯に塗ったところ、約1ヵ月後には虫歯が無くなり正常な歯が再生されたそうです。そして驚くことに、新しく再生された歯は以前より硬い歯になっていたのです。今回の虫歯治療が人間で成功すれば、歯を削られる恐怖だけではなく、歯を削る際に発生する血管と神経の破損を防ぐ効果も期待できます。以前、東京理科大で胎児の幹細胞を使った歯の再生治療が報告されていましたが、幹細胞ではなくホルモンを使ったこちらの治療では歯をまるごと再生することは不可能で、虫歯の種類によっては効果が期待できない場合もあるそうです。以下は、東京女子医科大学のホームページより引用したホルモンの説明です。

内分泌の不思議 ー ホルモンは生命のメッセンジャー
ホルモンの種類には、蛋白質のもととなるアミノ酸が数個から100個以上つながった形の ペプチドホルモン(成長ホルモン、インスリンなど)、コレステロールを材料につくられる ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、エストロゲン、テストステロンなど)、そしてアミノ酸のチロシンの誘導体である アミン(甲状腺ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン)があります。体の状態を一定に保つために神経系、内分泌系、免疫系がお互いに密接な関係を保ちながら働いていています。内分泌系の情報伝達物質がホルモンです。ホルモンは全身のいたるところでつくられています。以前は内分泌臓器でホルモンがつくられ、血液中を流れて遠く離れた標的となる細胞に到達して、そこで働くと考えられていました。最近では、つくられた場所のすぐ隣にある細胞、またはつくられた細胞そのものに働くこともわかり、局所でも作用します。今では、体の中でいろいろな情報を伝え合うものの物質をまとめて、ホルモンと呼んでいます。ホルモンは非常に少ない量(50mプールいっぱいの水にスプーン1杯程度)で効果があります。ホルモンは体の健康維持のためいろいろな機能を調節していますが、主には個体の生命と活動性の維持、成長と成熟および生殖機能を担うことです。現在、体の中には100種類以上のホルモンがみつかっていますが、これからもまだ増えると思われます。


Print This Post