現代に蘇った フランケン シュタイン

細菌の全遺伝情報 ゲノム を人工的に合成し、別の細菌に移植して働かせることに米国の科学者が初めて成功。移植を受けた細菌は、人工ゲノムによって自己増殖したという。研究ではまず、牛の感染症を起こす細菌「マイコプラズマ・ミコイデス」のゲノムをコンピュータでデータ化、この情報に基づき、改めてミコイデスのゲノムの断片を化学合成、この断片を大腸菌と酵母に入れて遺伝子組み換えでつなぎ合わせ、ゲノムをまるごと再現、完成した人工ゲノムを、よく似た細菌に移植したところ、移植された細菌が人工ゲノムの作用で変身し、ミコイデスのたんぱく質を作るようになった。細胞のハードウエアにあたる細胞質は、移植先の細胞を流用しているが、ソフトウエアのゲノムが人工ゲノムに入れ替わったことになる。この研究成果は、ヒトゲノムの解読に貢献したクレイグ・ベンター博士が率いる、J・クレイグ・ベンター研究所から発表された。同研究所の目的は、医薬品やワクチン、バイオ燃料の効率的な生産や水質浄化などに役立つ新細菌の開発であり、今回の費用である 4千万ドルは、石油大手エクソン・モービルからバイオ燃料を大量に生産する藻を作るための研究資金として提供された。ウイルスは既に人工的に作られているが、ゲノムがより複雑な細菌では世界で初めての試みである。細胞膜や細胞内の物質は人工合成していないため完全な「人工細胞」ではないが、その実現に近づく研究で、フランケンシュタインを現代によみがえらせる第一歩でしょうか?
