大切なのは、どれだけ寝るかより、いつ寝るか

睡眠 とは何か?それは、生命とは何か、と同じくらい難しい問題です。睡眠が不足すると,私たちはイライラしたり,眠くなったり,元気がなくなったりして,生活の質が損なわれます。また,場合によっては,生命維持に重大な支障を生じることさえあります。睡眠とはこのような状態を生じさせないための大切な機能であることは容易に想像できますが、ここでは今までの研究から明らかになってきた睡眠の役割から、理想の睡眠とは何か、について考えてみます。
1. 疲労回復
昼間活発に活動していると、脳も体も消耗して疲労がたまります。睡眠には、疲労を回復させる働きがあります。その日の疲労はその日に解消して翌日に持ち越さないことが疲労回復のポイントです。つまり、就寝時間は 10時が理想です。
2. 細胞の再生・修復
成長ホルモンは、睡眠中に活発に分泌されます。 寝る子は育つ、と言いますが、これはちゃんと生物学的な裏づけがあるのです。夜 12時~3時の時間帯に成長ホルモンが活発に分泌され新陳代謝が高まります。つまり、この時間帯に、細胞の再生・修復がもっとも活発に行われます。皮膚や毛髪、血管、筋肉など、人間の体細胞の再生・修復には、成長ホルモンの存在が欠かせません。 女性ですと、睡眠不足が続くと、お肌が荒れるという経験のあるかたも多いのではないでしょうか。成長ホルモンの分泌が充分でなく、皮膚の新陳代謝が低下してしまうことが、肌荒れの原因です。
3. 免疫力アップ
睡眠には、免疫力を高める作用もあります。睡眠中は、交感神経の緊張がなくなり、副交感神経の働きが活発になり、リラックスした状態になります。その状態になると、免疫系をになう白血球、免疫細胞の活動が促進されます。夜更かしを続けると、風邪を引きやすくなることはよく知られています。
4. ストレス解消
睡眠は、ストレス解消にもなります。 睡眠には、人間の体内に存在するストレスホルモンを、分解する作用があります。夢には様々な機能がありますが、ストレス解消の副産物としても夢を見ます。脈絡のない夢は同時に複数のストレスを解消した結果です。
5. 老化防止
睡眠不足になると、体内での活性酸素の生成が増加します。活性酸素は、老化の原因と考えられていますで、よい睡眠をとることは、老化防止につながります。
5. 記憶の定着
五感からの情報は、まず大脳皮質の側頭葉から海馬に送られます。 海馬は、一時的な記憶を保存、管理するための部分です。海馬に同じ情報が送られ続けると、脳が重要な情報であると認知して、その情報を再び側頭葉へと送り、長期記憶として固定させます。この海馬と大脳皮質の側頭葉との間のやりとりが、睡眠中に行われています。したがって、一時的に入ってきた情報を、長期記憶として保存させるためには、睡眠が必要なのです。以上のことを総合すると、長い時間寝ることよりも 10時~3時の時間帯に快眠することで睡眠の効果が最大限発揮されます。
